母とハグ

最近、心がけている事がある。一日一回は母とハグする事、最初は照れ臭い気がしたけれど思い切って実行してみたら意外といい感じだった。私より背が高かったはずの母が瘦せて小さくなっていた。私がギュッとすると母もギュッと返してくる。なかなか母に接してあげられない私だけどこの瞬間だけは母を愛おしく思える。大事にしなければと思う。それから朝、母を起こした時は、必ず「おはようございます。昨日はありがとうございました。今日一日宜しくお願いします」夜寝る時は「おやすみなさい。今日一日ありがとうございました。明日も宜しくお願いします」と言う様にしている。すると母も少し涙ぐんで私と同じように「宜しくお願いします」と言うのだ。母にイライラして声を荒げた日もこれだけは欠かさないようにしている。このような朝と夜の挨拶をするようになってから母への感謝の気持ちが以前より増してきた気がする。もしも母が今のように介護が必要になっていなかったらきっと私はハグをする事も朝夕の挨拶もこんな風には言ってなかったと思う。そう思うと母の介護が必要になった事は私自身に感謝の心を忘れない機会を与えられたのかもしれない。

                               つづく